[ 医学検査の専門家 検査技師とは? ] 医師の指示監督のもと、病院や診療所などで、微生物的検査や血液学的検査、病理学的検査、心電図、脳波検査などの生理学的検査などさまざまな検査を行い、診断や治療の基礎となるデータを提供する。 検査結果が医師の診断を大きく左右するので、緻密な作業が要求される。 |
原理
[BSEとは?] 牛海綿状脳症(BSE)は、異常プリオン蛋白が牛の脳内に蓄積して空砲を形成し、種々の神経症状を呈するプリオン病の一種で、ヒトに感染するとクロイツフェルト・ヤコフ病を発症する。 [サンドイッチELISA法] 一次抗体>抗原<2次抗体、または抗原>抗体<抗原のようなサンドイッチ状の複合体をマイクロプレート上に形成させ高感度に検出する方法。 |
正常プリオン蛋白と異常プリオン蛋白はアミノ酸配列が同じ構造異性体なのでBSE検出キットに使用されている2つの抗体は正常と異常のどちらも認識できる。正常プリオン蛋白:PrPc 異常プリオン蛋白:PrPres
BSE検出キット試薬一覧
[蛋白分解酵素] [蛋白分解酵素希釈液] [ブタノール] [尿素(蛋白変性剤)] [固相マイクロプレート] [陰性コントロール] [陽性コントロール] [希釈液] [基質緩衝液] [酵素標識抗体] [発色液] [反応停止液] |
PK :異常プリオン蛋白は分解できない。 A液 :プロティナーゼK希釈液(尿素) B液 :蛋白断片の清透化し、異常プリオン蛋白を沈殿させる(濃縮) C液 :プリオン蛋白の可溶化→蛋白構造を広げる R2 :捕捉抗体(抗ヒトプリオン蛋白マウスモノクローナル抗体)一次抗体 R3 :PBSまたは血清アルブミン R4 :ヒトプリオン蛋白合成ペプチド R6 :リン酸カリウム R7 :POD標識抗ヒトプリオン(蛋白マウスモノクローナル抗体)二次抗体 R8 :過酸化水素 R9 :テトラメチルベンチジン二塩酸塩 R10:硫酸 |
操作手順
1.ウシ延髄の閂部分をシリンジで採取して310mg~322mgの範囲で秤量し、偽陽性の原因である血餅や脳軟膜がある場合は取り除く 2.採材した検体をグランディングチューブに入れ、破砕機(ホモジナイザー)で6500rpm,45秒間ホモジナイズして乳剤化する 3.その脳乳剤を注射器で250μℓとり、2mℓのマイクロチューブに移しとる |
4.A液でPK液を250倍に希釈し希釈調整液を作り、検体入りのマイクロチューブに連続分注器で250μℓ加えボルッテックス(よく混和する)
5.恒温槽で37℃11分間インキュベートする。 6.次に試薬B液を連続分注器で250μℓ加え、ボルッテックス(よく混和する) |
7.遠心機で15000g,7分間遠心したら、上清を廃棄したらマイクロチューブを逆さに立て、5分間放置
8.試薬C液を25μℓ加えたあと電気鍋で100℃.5分間インキュベートしたら、試薬R6液を125μℓ加えボルッテックス(よく混和する) |
9.必要列数のストリップをセットした固相マイクロプレートの第1列の4穴に陰性コントロールを続いて、2穴に陽性コントロールをマイクロピペットで100μℓ分注したら、検体も100μℓ分注する
10.プレートにプレートシールで封をしたあと孵卵器で36.5℃,75分間インキューベートする 11.反応後、洗浄液をセットしたWASHERで3回洗浄する 12.試薬R7液を洗浄液で10倍希釈したら電動ピペッターでマイクロプレート内の各ウェルに100μℓ分注したらプレートシールで封をしたあと冷蔵庫で4℃,60分間インキューベートする |
13.反応後、洗浄液をセットしたWASHERで5回洗浄したら、試薬R9液をR8液で11倍希釈した調整液を連続分注器でマイクロプレート内の各ウェルに100μℓ分注したら遮光BOXに入れ、アルミホイルを被せ遮光して30分間放置
14.試薬R10液を連続分注器でマイクロプレート内の各ウェルに100μℓ分注したら、プレートリーダーで主波長450nm,副波長600nmの吸光度を測定する。
[カットオフ値の計算]判定
陰性コントロールの4箇所の吸光度の平均値に0.21を加え陽性コントロールのカットオフ値とし、それの0.9倍を陰性コントロールのカットオフ値する。
[測定系の確認]
・陰性コントロールの吸光度4ウェルがすべて0.150以下
・陽性コントロールの吸光度2ウェルがすべて1.000以上
[結果の判定]
検体の吸光度がカットオフ値を下回るものを陰性、上回るものを陽性とする。